仕事でくたくたになって帰ってきた夜、冷蔵庫を開けたら、ドロドロになったきゅうりや、いつの間にか賞味期限が切れた納豆と目が合う。
またやってしまった、と胸の奥がチクリと痛む瞬間は、本当に切ないものです。
お金を無駄にした後悔と、食材を捨ててしまう罪悪感で、自分のことがすごく嫌いになってしまう夜もありますよね。
都内のワンルームで暮らす私も、以前は毎週のように食材をゴミ箱へ送り、自分を責め続けていました。
賞味期限との戦いにまた負けた私が気づいた一人暮らしの罠

冷蔵庫を開けて「ごめんなさい」と呟く毎日
かつての私の冷蔵庫は、いつも賞味期限の切れた何かで溢れかえっていました。
自炊を頑張ろうと週末にまとめ買いをするものの、平日の残業や突然の疲れでキッチンに立つ気力は一瞬で消え去ります。
結局、コンビニ弁当やデリバリーに頼ってしまい、冷蔵庫の奥では静かに食材たちが傷んでいく日々でした。
賞味期限との戦いにまた負けた、とゴミ袋を縛るたびに、一人暮らしすらまともにできない自分にひどく落胆したものです。
スーパーの特売と「自炊するはずの未来の自分」に騙されない
なぜこんなにも買いすぎてしまうのか、ある日じっくり考えてみました。
原因は、買い物に行っているときの私が「未来の自分」に過度な期待を寄せていたからだったのです。
安いからと大袋のキャベツを買い、お得だからと3連パックの豆腐をカゴに入れる瞬間、私は「毎日ちゃんと料理する素敵な私」を想像していました。
しかし、実際の平日の私は、お風呂に入るだけで精一杯の限界会社員です。
まずは「平日の自分は何もできない」という現実を認め、買い物にルールを設けることから始めました。
・「あれば便利そう」な食材は絶対に買わない
・3日以内に使う具体的なメニューが決まっていない生鮮食品は買わない
・迷ったら、すぐに使えるカット野菜や冷凍食品を優先する
食品ロスをなくすために私が実践している3つのゆる保存テク

野菜は包丁を使わずに手でちぎって冷凍室へ
一人暮らしにとって、野菜を新鮮なうちに使い切るのは至難の業です。
そこで私がたどり着いたのが、包丁すら使わない、限界突破の冷凍テクニックでした。
キノコ類は買ってきたら袋の上から手で揉みほぐし、そのままジッパー付きの保存袋に放り込んで冷凍庫へ入れます。
キャベツや小松菜も、手でバキバキとちぎって袋に入れるだけで準備は完了です。
凍ったまま味噌汁やスープに放り込めば火が通るため、包丁もまな板も汚さずに野菜を摂取できます。
この方法を始めてから、我が家の野菜室で何かがドロドロに溶ける怪奇現象は一切起きなくなりました。
調味料は「使い切りサイズ」しか買わないと決める
大容量のドレッシングや、めったに使わないお洒落な調味料も、食品ロスを引き起こす大きな原因でした。
コスパを重視して大きなボトルを買っても、使い切る前に風味が落ちたり賞味期限が切れたりすれば、かえってお金の無駄になります。
そのため、調味料は割高であっても、一番小さなミニボトルや個包装のものを買うように変えました。
冷蔵庫のドアポケットがすっきり片付くだけでなく、賞味期限を管理するストレスからも解放されます。
Audibleで聴いた 「わたなべぽんさん」の作品から学んだこと

わたなべぽんさんの言葉が教えてくれた家事の呪縛
冷蔵庫の管理に悩んでいたある日、耳で読書ができるAudibleで、わたなべぽんさんの「やめてみた。 本当に必要なものが見えてくる、暮らし方・考え方」、という作品を聴きました。
本の中で描かれる、世間の丁寧な暮らしのイメージに振り回され、自分をすり減らしていく著者の姿は、まさに私そのものでした。
炊きたてのご飯、たくさんの手作りおかず、整理整頓された冷蔵庫。
そういった「あるべき姿」に縛られていたからこそ、私は勝手に自分で自分にバツ印をつけていたのだと気づかされたのです。
食材を腐らせてしまうのは、私が怠け者だからではなく、自分の処理能力を超えた「ちゃんとした自炊」を目指していたからでした。
冷蔵庫の余白は、私の心の余白そのものだった
この作品を聴き終えた後、私は冷蔵庫の中にあった「いつか使うかもしれない」食材たちを思い切って処分しました。
ガラガラになった冷蔵庫を見て、不思議と寂しさはなく、むしろ肩の荷がすっと軽くなるのを感じたのです。
パンパンに詰まった冷蔵庫は、早く消費しなければならないという無言のプレッシャーを毎晩私に与えていました。
冷え切った庫内に少しの余白があるだけで、仕事帰りのどんよりした気持ちが少しだけ軽くなります。
冷蔵庫を管理することにエネルギーを使い果たすくらいなら、最初から何もない方がずっとマシだと、心が軽くなりました。
冷蔵庫のなかの失敗を許して、今日から少しだけ身軽になろう

賞味期限を切らしてしまったとき、私たちはまるで重大な過ちを犯したかのように自分を責めてしまいます。
でも、それほどまでに毎日を生きることで精一杯だったということ、その頑張り自体をまずは認めてあげませんか。
もし今夜、冷蔵庫を開けてため息をつきそうになったら、まずは一番手前に置いてある、痛む寸前の食材をひとつだけ冷凍庫に放り込んでみてください。
たったそれだけで、今日のあなたができる最大の対策は完了です。
完璧な自炊ができなくても、誰もあなたを責める権利はありません。
まずは冷蔵庫のなかに、今のあなたを受け入れるための優しい余白を作ってみることから始めてみましょう。
